作例:

納骨の塔 先祖を故郷の土に還す

施主 真言宗寺院 令和元年夏開眼 積み上げ五輪塔
作例は、私の菩提寺の納骨の塔です。
跡取りが田畑から離れ、二世代、半世紀余り‥ 墓守の絶える家系の、先祖の墓はどうしたら良いものか‥ 現代の日本人の抱える大きな悩みです。
A-田舎から、お墓も、お骨も、移転する。
B-子供に負担をかけまいと、自分の住む地域で、永代供養をし、墓終いをする。
どちらの選択も、親(先祖)にとって、淋しい事です。大切な子孫と共に在るのは、魂です。先祖の魂は何時でも何処まででも、我々を傍で見護ってくれています。しかし、ご遺骨は、先祖の故郷の大地に還してあげてください。お骨は物のように思いがちですが、意思の有るご先祖そのものです。
先祖代々、拝み親しんだ、古いお墓の移転を第一に考えるのでは無く、お墓はきちんと整理整頓(菩提寺に納骨)をし、田舎の親戚や、お寺さんに相談しても良いと思います。亡くなった人の体は、生き抜いた土地へ還すものと考えます。

・納骨は3段階に分けて行います。

1.骨壺のまま納骨する
2.年忌法要の際、壺から出し袋へ移す
3.年忌法要の際、袋から出し大地へ還す

・石積は、造成の全長が短かったので、広がりを出す為、3段の屏風折れ積にしました。

・石舞台の裏側の納骨扉は、敢えて木材を使い石との調和を重視しました。

開眼
令和元年7月
所在地
愛媛県今治市宮窪
墓地形態
寺墓地
墓所の広さ
間口5.5m 奥行4m
石塔
積み上げ五輪塔
石塔大きさ
19寸
石塔仕上げ
ビシャン叩き
石種
大島石善 青
外柵
自然石切り出し・野面石積み
頭梁
小田 満弘
石塔製作
矢野 雄嗣
大島石検品
村上 勉
施工
竹田 鉄男

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