作例:

究極の五輪美「噛み合わせ五輪」 美しい造形物に、魂が宿る

施主 真言宗 平成18年8月開眼 噛み合わせ五輪塔
私は、石塔の中でも、日本で生まれた五輪塔に強く執心しております。日本仏教を具現化した究極の形だとさえ考えています。
今回の作例、噛み合わせ五輪(空風火水地を一石でつくる)は、三十代の頃より、何度か挑戦しましたが、上手く出来ませんでした。納得が出来るものが刻め始めたのが、この五輪塔を作らせて頂いた四十代の後半です。当時私は、どうしても納得のできる噛み合わせ五輪を作りたく、施主に無理をお願いして、建墓までの時間を一年間頂き、試作し研鑽を積みました。任せていただける施主でしたので、私好みの外柵と後背だけの、シンプルで厳しさのある墓所となっております。満足度の高い作品です。

「施主の満足するもので在っても、佛の宿らない石碑は作ってはいけない。」「墓石は、千年残り続けるものですから、プロの自覚を持ち、流行り廃りの無い、美しい墓をお勧めする。」私の信念です。
石塔を作って、四十年になりました。私なりに、美しい墓を作りたいと、一所懸命でした。それなりの完成度になったと思うこともありますが、未だ奥は深く、悩みは尽きません。墓は、手を合わす対象です。仏師が美しい仏像を追求するように、墓屋は美しい石塔を追求しなければならないと考えています。
開眼
平成18年8月
所在地
愛媛県今治市
墓地形態
市営墓地
墓所の広さ
間口2.0m 奥行2.0m
石塔
噛み合わせ五輪塔
石塔大きさ
11寸
石塔仕上げ
ノミ切
石種
大島石善 青
外柵
ノミ切仕上げ
頭梁
小田 満弘
石塔製作
矢野 雄嗣
大島石検品
村上 勉
施工
竹田 鉄男

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